Paldia Collaboration Blog Vol.32

企業間コラボの最新情報をご紹介するコラボレーションブログ。

企業×企業のホットなイノベーションをお届けしております。

 
今回のコラボレーションブログでは、有名ファストフード店のハンバーガーショップ「モスバーガー」と
ドーナツショップ「ミスタードーナツ」がコラボして生まれた、「MOSDO!」についてです。
 
また、商品だけにとどまらず、実店舗も展開している「MOSDO!」の企画とコラボの効果を紹介します。
 
 


 

コラボ企業

 

コラボ実施企業① 株式会社モスフードサービス
コラボ実施企業② 株式会社ダスキン

 


 

企画概要

 
2008年にモスバーガーとミスタードーナツが業務提携し、
『お店での手作りにこだわり、できたてをお客さまにご提供する』という共通理念の下、
コラボレーション施策「MOSDO!」を始めました。
 

施策のメインは共同での商品開発と店舗営業で、
前者は2008年・2009年・2014年の過去3回に亘るオリジナルメニュー開発、
後者は2010年・2015年とそれぞれ広島・大阪に新店舗をオープンしています。
 
2008年の商品開発第1弾では、
ホットチキンという共通の食材をテーマにしたオリジナルメニューとして、
モスバーガーでホットチキンバーガー、ミスタードーナツでホットチキンパイを開発。
 
2009年の第2弾では、
ドーナツバーガーという共通のコンセプトを軸に、
モスバーガーで中央部に穴が開いたドーナツ型のハンバーガー、
ミスタードーナツでハンバーガーの形をしたドーナツを開発。
 
2014年の第3弾では、双方の主力商品をメインとして使用し、
モスバーガーでモスのフレンチクルーラーを、
ミスタードーナツでミスドのライスバーガーを開発。
「MOSDO!」より様々な共同開発商品を発売しました。
 
加えて共同での商品開発を行う傍ら、
2010年に「MOSDO!」による初の共同店舗のイオンモール広島府中店にオープン、
2015年には関西国際空港店がオープンしました。
 
上記した両店舗は現在も営業しており、
コラボならではのハンバーガー&ドーナツのセットや、店舗限定メニューの販売、
さらに、お子様向けのセットメニューにそれぞれのブランドのオリジナルキャラクターを
使用したおもちゃを活用するなど、こちらに関しても各種コラボレーションアイデアの
実現を積極的に行っている様が伺えます。
   


 

コラボメリット

 
【株式会社モスフードサービスのメリット】
 
主食となる商品を中心に販売しているモスバーガーにとって、
副食・デザートの弱みをカバーできるのが大きなメリットとなります。
 
お昼頃に集中しているモスバーガーも、ランチ時以外も顧客が来店するようになり、効率化を図れます。
その結果として、ミスタードーナツがターゲットとしている顧客も、獲得につながります。
 
また、時間が経ちモスバーガーのブランドイメージが薄くなっているところに、
コラボすることによって、ブランド価値を再認識させることができます。
 
【株式会社ダスキンのメリット】
 
同様に副食・デザートとなる商品中心に販売しているミスタードーナツにとって、
主食の弱みをカバーできるのが大きなメリットとなります。
 
ドーナツでは主食として中途半端になっていたのが、ハンバーガーを取り入れることで、
昼時の空き時間を埋めることができます。
 
また、コラボすることで、モスバーガーが持っているできたて、おいしさ、食の安全性などの
ブランドイメージを、ミスタードーナツにも根強く印象付けることができます
 


 

コラボ効果

 
「MOSDO!」の一号店(イオンモール広島府中店)に関していうと、
オープン前から話題となり、当初の見込売り上げの160%を達成しています。
「MOSDO!」の店舗のみならず、既存の店舗の売り上げ向上につながることが見込まれます。
 
モスバーガーにとって空き時間となっているおやつの時間、ミスタードーナツにとっての
昼時の時間の顧客獲得が望まれます。
 
また、当時不祥事を起こしていたミスタードーナツは、
モスバーガーの持つブランドイメージが認知されることによって、信頼を取り戻すことができるでしょう。
 


 

コラボ成功ポイント

 
今回のコラボ成功のポイントは、大きく分けて3つあります。
 
1つ目のポイントは、企業間のいいところ、ノウハウを互いに利用できたことです。
モスバーガーはスイーツ類の商品が弱く、新たな商品を生み出したいと考えていました。
来客が少ない時間帯に対応した商品を一から自社で考え、
開発まで手掛けるとなると、多額のコストがかかってしまいます。
 
しかしコラボすることで、ミスタードーナツのノウハウを取り入れ、
短期間・少ないコストで商品開発を行えるようになりました。
 
一方ミスタードーナツは以前、不祥事がありブランドイメージが悪くなっていました。
そこで、モスバーガーから品質管理のノウハウを学び、「食の安全」に対しての
ブランドイメージを付け、付加価値向上へと繋がりました。
 
また、両社にとって、仕入れの際に共同購入・共同配送することで、コストを削減できました。
 
2つ目は、空き時間を埋めることができたことです。
コラボすることで、両社にとって、強みとなる時間帯が、弱みとなる時間帯を補い合えました。
 
本来ならば、モスバーガーはおやつ時、ミスタードーナツは昼・夕飯時の顧客獲得は
難しいものでしたが、それを可能とすることができました。
 
3つ目は、話題性があったことです。
ネットで話題になるには、意外な企業コラボレーションが生み出す商品の
大きなインパクトが有効だと考えられます。
 
人気商品をトレードし、それをテーマとして生み出された商品や、
共通の食材をテーマとして生み出された商品たちは、インパクトがあり大きな話題となりました。
 
また、実店舗ができる際には、
多くのネット記事に取り上げられ、オープン前から話題となりました。
 
これら3つのポイントが、コラボ成功へと導きました。
 


 

まとめ

 
モスバーガーとミスタードーナツという同業種・同形態のコラボレーションを紹介させていただきました。
 
様々なファストフード店が台頭して、市場が激しくなっていく中、
互いの強みを生かせるこのコラボレーションは効果的なものでしょう。
 
ファストフード企業競争において、
他の企業との差別化を図るような施策がもっと出てくることを楽しみにしています。
 
【参考文献】
https://mosdo.jp/
https://style.nikkei.com/article/DGXDZO52298770R00C13A3W14001/
http://collabobase.jp/689
https://globis.jp/article/525
 

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