
キャンペーンを実施する際、「応募数をいかに伸ばすか」という指標が重要視されます。もちろん応募数は重要な成果指標のひとつですが、見落とされやすいのが消費者の「応募後の行動」です。「とりあえず応募して終わり」ではなく、その後にどのような心情の変化や購買行動が生まれているかを把握することが、売上アップやリピート促進、ファン化にもつながる効果的なキャンペーン設計のカギとなります。
本記事では、1万件以上の事務局運営実績をもつパルディアが2025年に公開した「キャンペーンに関する消費者意識と実態調査」のデータをもとに、SNSキャンペーンの応募後に生まれる消費者の行動変化や心情変化を紐解きながら、効果的なキャンペーンの設計ポイントを解説します。
目次
関連資料:キャンペーンの効果を最大化させるには?応募数アップにつながる5つのポイント
こんな方におすすめ!
- ● 応募数は集まるのに、その後の効果が見えづらいと感じている方
- ● キャンペーンから購買やリピーター化へどうつなげるか悩んでいる方
- ● データをもとに説得力のある提案をしたい方
- ● SNSのブロック率やフォロー継続率に課題を感じている方
SNSキャンペーン応募後の変化
キャンペーンの成果は「応募数」だけで測れるものではありません。応募後にどのような心理的変化や購買行動が生まれたのかを把握することで、より効果的なキャンペーンの設計が可能になります。
実際に調査結果では、以下のような変化が見られました。
Q. SNSでキャンペーンに応募したことによって、どのような変化がありましたか。

SNSキャンペーンへの応募を通じて、「企業・商品やサービスを利用するきっかけになった」「企業・商品へ興味が出た」「企業・商品の好感度があがった」といった、商品やサービスに対するイメージアップの効果が出ていることがわかります。
なかでも30代男性の心理的変化が顕著であり、「興味」「好意」「理解」という、購買行動につながる心理すべてにおいて高い数値を示しておりました。これにより、30代男性はSNSキャンペーンの応募をきっかけに、商品購入や理解浸透などの心理的変化を受けやすい層であることがわかりました。
キャンペーンが単なるプレゼント企画ではなく、ブランドとの接点を深め、商品理解を促すきっかけとして機能していることがわかります。このように、応募してもらうだけでなく、応募した人がどのように変化したかに目を向けることで、次回以降の施策で成果を高めやすくなります。
フォローして終わりじゃない!SNS施策で押さえておくべき設計視点
SNSキャンペーンを通じてフォロワーを獲得できたとしても、そのまま継続的な接点や関係性構築につながるとは限りません。「応募のためにフォローをし、キャンペーン終了後にフォローを外す」といった行動は、実際によくみられる行動です。
それでは、SNS公式アカウントのフォロー実態に関するデータを見てみましょう。
Q. 公式アカウントをフォローしたことはありますか。(複数選択可)

性年代別で見ると、フォロー(友だち登録)経験率が最も高い媒体はLINEですが、60代女性に次いで10代女性の登録率が低い点が特徴的です。男女別で比較すると、男性はYouTubeのフォロー(登録)率が高く、女性はInstagramのフォロー率が高い傾向が見られます。また、10代男性ではXのフォロー率が高く、50代男性ではLINEのフォロー(登録)率が突出していることもわかります。このように、媒体ごと、世代ごとにフォロー傾向が大きく異なる点は、キャンペーン設計時に考慮すべき重要な要素といえます。続いて、フォローのきっかけについても調査結果を見てみましょう。
Q. フォローしたきっかけは何ですか。(複数選択可)

これまで(2022~2023年)の傾向としては、LINE・Instagram・Facebookにおいて「プレゼントキャンペーンを実施していたから」という理由がフォローの主なきっかけでした。しかし近年(2024年)、「ノベルティ・特典・スタンプがもらえたから」という回答が上位に浮上しており、参加特典を重視する消費者が増加していることが見てとれます。また、Xでは依然として「プレゼントキャンペーンを実施していたから」がフォローのきっかけとして高い数値を示しており、媒体によって動機が変わる点も注意が必要です。
2つの調査結果から、ただ単にフォローを促すだけでなく「どの媒体で」「誰に向けて」という具体的なターゲティングを踏まえた設計が、SNSキャンペーンの効果を高めるうえで重要なポイントといえます。
ここまで、SNS公式アカウントのフォローのきっかけについて解説しました。次章では、ユーザーの「フォロー後」の行動に焦点をあてて、フォロー解除・ブロックに関する実態を紐解いていきましょう。
なぜSNSアカウントをブロックされるのか?データで見る“離脱”の傾向
ここからは「なぜフォローが解除されてしまうのか」という実態を掘り下げていきます。離脱の傾向をデータで正しく捉えることは、ユーザーとの関係性構築やファン化促進、売上アップにつながる重要な視点です。
Q. フォロー解除またはブロックしたことのあるSNSはありますか。(複数選択可)

性年代別の傾向を見てみると、フォロー経験とブロック経験は裏表の関係にあることがわかります。フォロー経験が高い世代ではブロック率も相対的に高く、逆にフォロー経験が少ない世代ではブロック率も低い傾向が見られました。ただ、50代男性においては、LINEの友だち追加経験率が高いにもかかわらず、ブロック率は比較的低く抑えられており、関係維持をしやすい世代であることがうかがえます。
こうしたターゲット層の特性を理解することで、企画設計の質が高まります。
Q. フォロー解除またはブロックしたきっかけは何ですか。(複数回答可)

媒体を問わず、ブロックした理由で増加傾向にあるのが「プレゼントキャンペーン期間が終了したから」という理由です。キャンペーン終了と同時にアカウントをブロックする傾向が高まっている様子が読みとれます。また、「投稿や通知が多いから」「企業・商品・サービスに興味がなくなったから」といった理由も高い数値を示しており、投稿頻度や投稿内容が消費者が期待している情報と乖離しているケースも見てとれます。
SNSアカウントのフォロー継続率を高める「情報」を配信するコツ
前章では、「投稿や通知が多い」「企業・商品に興味がなくなった」といった理由でフォローを解除する人が多い実態をお伝えしました。では、消費者は企業のSNSアカウントにどのような情報を期待しているのでしょうか。
Q. 企業のSNSに期待していることをすべて教えてください。(複数回答可)

調査結果をみると、媒体を問わず「キャンペーン・クーポン・イベントなどの情報」が高い数値を示しており、キャンペーンやお得情報への関心が高いことがわかります。次いで、「新商品や新サービスなど最新情報」「商品の使い方やレシピなど役立つ情報」「クイズ・アンケート」なども上位にランクインしています。消費者は自身の生活の一部として、お得感や実用性、ちょっとした楽しさを求めていることがわかります。一方で、すべての媒体において「特になし」と回答した人の割合が最も高い点も見逃せません。これは、「キャンペーンをきっかけにフォローはしたものの、そもそも企業のSNSに対して期待している情報がない」と考えている層が一定数存在することを示しています。
投稿頻度よりも、キャンペーンが終了した今、「このアカウントをフォローしている意味」や「ユーザーにとっての価値」を丁寧に伝えていく設計が、離脱の抑止およびフォローの継続率を高めることにつながります。
また、フォローの継続率を高めるには、次のような工夫が有効です:
- ▶ タイムリーな情報更新:
キャンペーン終了後の消費者の温度感が高いタイミングで「次のアクション」を促す施策やお得な情報を提示する - ▶ パーソナライズされた配信・投稿:
性別・年齢層・行動特性・関心興味に応じたコンテンツを提供する - ▶ 投稿の文脈設計:
「今フォローしておくと、こんなメリットがある」という意味付けを明確に伝える - ▶ 形式の工夫:
インパクトのあるビジュアルやストーリー形式で小出しにするなど楽しいを届ける視点を持つ
情報があふれる現代においては、「情報の質」と「届け方の工夫」が継続的なフォローや関係性構築に直結します。目先のフォロワー数や応募数にとらわれず、その後の信頼関係を育む目線で設計しましょう。
「どの世代がどの媒体でどのような情報を求めているのか」といった、より詳しい「媒体別 × 性年代別」の実態を知りたい方は、ぜひこちらからお問い合わせください。
まとめ|応募後の変化をおさえた設計の3つのポイント
キャンペーンの成果を高めるには、応募後の行動や心理的変化に着目し、いかに関係性を構築していくかの視点が重要であることを紐解いてきました。最後にこれまでの内容を踏まえ、以下の3つの観点から要点を整理します。
① 応募後の変化を捉えることで、目的に沿った設計が可能になる
- ● SNSキャンペーンは、ブランドや商品への「関心」「好意」「理解」という心理的変化を生み出しやすい
- ● なかでも30代男性は、その心理的変化が大きく、影響を受けやすい層である
② フォロー・ブロックの実態を把握し、媒体・世代ごとに設計を変える
- ● フォローの主なきっかけは「キャンペーンを実施しているから」という理由が多くを占めているが、
「特典の受け取り」も増加傾向にある - ● ブロック理由には「投稿・通知が多い」「興味がなくなった」など、
情報の多さに対する期待値の低さが要因となるケースが目立つ - ● 50代男性はLINEの登録率が高くブロック率が低いため、関係性を維持しやすい層である
③ 「有益性 × タイミング × パーソナライズ」の最適化でフォローの継続率を高める
- ● 全媒体共通で「企業SNSに期待する情報は特にない」と感じている割合が最多
- ● 「今フォローしていることにどんな価値があるか」を伝える設計が求められる
まとめ
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